AZ−1のミッションに入っているシフトの入りにくいシンクロナイザーハブは、そもそも設計ミスだった

 タイトルにいきなり結論が書いてあるが、残念ながらその通りだった。根拠をパーツカタログから探っていく。
 今回集めたアルトとCARAのパーツカタログ。アルトには第3版(3型のみ記載)、4版(3型、4型を記載)、5版(3〜5型を記載)、6版(3〜5型を記載)がある。



 各版の発行年月日は下の写真の通りである。この年月日を元に推察していく。アルト現役時代に出された最後の版が第5版である。第6版は生産終了後に発行された最後のパーツカタログになる。



 肝心の、シンクロナイザーハブを見ていく。29番のパーツだ。



 1993年1月発行のCARAのパーツカタログでは、24400-63D20となっている。



 同様に、1992年10月発行のアルトの3型のパーツカタログでも、24400-63D20となっている。



 ところが、1993年10月発行のアルトの3型・4型のパーツカタログでは、24400-63870へと変わっている。



 何らかの不具合が無ければ、こんな中途半端な時期に変更される訳がない。不良品が紛れ込んでいるのだったら、同じ部品番号のままだろう。これが設計ミス説の根拠である。
 ではいつから切り替わったのか。残念ながらはっきりしない。少なくとも1993年10月以降に切り替わっている事だけは間違いない・・・が、これはAZ−1はほとんどの車に設計ミス品が組み込まれていることを意味する。なぜなら、ほとんどのAZ−1は1993年初頭に生産を終えているためだ。

 通常は「CR22S-25×××から変更」とパーツカタログに書かれているのだが、その記載が無い。スズキ部品に聞いてもわからない。我々にとって最も肝心なパーツの1つだというのに・・・
 「なんちゅういいかげんな会社だ」と言ってはいけない。こんな管理にカネをかけないから、安く車が作れるのだ。

 ただし、いつぐらいから切り替わったかという推定はできる。推定するため、シフトユニットなどの他の部品の変更時期を確認していく。