エンジン

 縦置きミッドシップに置かれた2ローターロータリーエンジン。12Aだと長年言われていたが、今回のレストアで実は10Aであることが確認された。このエンジンは、市販の10Aではなく、レース用の10Aである。そのためカタログスペックでは250馬力になっている。




 さらに寄ったところをみてみよう。中央に赤いキャップが見えるが、これはオイル注入口のキャップであり、市販の10Aにも使われているものだ。その左斜め直下に10Aと刻まれていることがわかるだろうか。
 またオイルフィルターは当時物がついている。長い銀色であることからそういえる(現在は黒で短い)。恐らくほとんど交換されたことがないものと考えられる。




 このエンジン、残念ながら片側のローターが錆びており、今回はレストアができなかったそうだ。なお10Aのエンジンはもう部品がなく、修理が難しい。旧車の犯した過ちがなければと思うが、後の祭りである。F6Aを積んだ・F6Aの部品を使っているスズキのコンセプトカーで、RX500と同じ境遇にあり将来復活させる計画があるものの部品がなくて困っている、なんてものがあれば私は喜んで部品を提供するが。


 手ぶれで申し訳ないが、反対側から撮影した写真。フレッシュエアを取り込むためか、エアクリーナーからキャブまでの管が非常に長い。通気抵抗が大きくなるため、これはこれで問題があると思うが・・・ちなみにキャブは日本気化器(Nikki)製のダウンドラフトだ。
 縦置きのリアミッドとなるとミッションは何が使われているのか疑問がわくが、ルーチェロータリークーペに使われたミッションの改造品が使われているという。ルーチェロータリークーペは珍しい縦置きエンジンのFFだったのだ。






 次頁から、いよいよドア部分の詳細を見ていく。