Izakaya experience

 Izakaya experienceの前に、ミュージアム見学ツアー終了後の午後からの驚異の行動を紹介する。それは何かというと、「広島周辺の観光」。多くの人が大和ミュージアムまで行った反面、そうではない人がいた。彼らは「マツダ部品販売」まで部品を買いに行ったのである。

 そもそもなぜ「マツダ部品販売」なるものがあるかを彼らが知っていたかというと、来日する前に私が「マツダ部品販売」に一緒に行こうと誘ったからだ。彼らはパーツリストはもちろん、読むことができな日本語の整備書まで持っている(以前翻訳を頼まれた・・・)。濃い人は車の部品が第一。恐らく興味があるだろうと思って誘った。「欲しいパーツのリストを事前に送ってくれたら在庫を調べてあげる」とまで書いてメールしたのだが、それ以降マツダ部品に関する返答はなし。そうこうする内に、マツダミュージアムの後は大和ミュージアムに行く旅程だという話になって、マツダ部品販売に行く話は立ち消えになったのかと思っていた。  が、この話は実は生きていた。そうとは知らない私は、マツダミュージアムツアーが終了して一旦帰宅してしまった。そのため、マツダ部品で喜んでいる彼らの姿を見ることができず残念でならない。



 Izakaya experienceへの出発地点は、ホテルのロビー。が、ここにも予期せぬトラップが待ち構えていた。下の写真は、受付横に置いてある荷物を置く台なのだが・・・



 これ、何の車の部品の一部によく似ているか、皆さんおわかりだろうか。コスモスポーツのシートトリムの模様に似ているのである(実物は、白地と黒地が反転しているような感じ)。

 当然ながらホテルに入った瞬間私は気がついた。オーストラリアの人達も気がついているだろうなあと思いつつ、念のため台を指さして「Do you notice it?」と極めて簡単に聞いたところ全員気がついていたし、向こうとしてもこれに気がつく日本人がいることに感激した様子。彼らはホテルへ前日にチェックインしていたので、恐らくチェックインした瞬間に気がついたものと思われる。この台を見ただけではしゃぎ始めたオーストラリア人に、ホテルの人もさぞかし戸惑ったことだろう。彼らは見る物全てに関して車の部品との類似性を探し出すようだ。ある意味当然といえば当然の行動なのだが。



 Izakaya experienceは、駅前の和民。出発する前にお土産をもらってしまった。1つはオーストラリアにあるロードスターのクラブの帽子。もう1つがオーストラリアで売られている自動車雑誌。帽子はともかく自動車雑誌とは、なんとツボを突いていることか。その国でしか売られていない自動車雑誌を見ると、その国で車に対してどんなことが行われているかわかるし、冊子だったらじっくり見ることができるので大変ありがたいのだ。皆さんご存じの通り、私も海外へ行ったら、必ず自動車雑誌を買って帰る。オーストラリアへ行かずして、現地の雑誌を入手できた。雑誌の中身の紹介は、次回以降に行う。



 「Izakaya experience」では、いろいろと車の話をした。さすがにたくさんの情報を持っていた。2011年に交通科学館で展示されていた初代ルーチェの原型であるS8Pのことまで知っていたし、エンジンがモックアップであることまでも知っていた。オーストラリアということで、ロードぺーサーについてはどう思っているか聞いてみたところ、「エンジンはいいが、ボディーがダメだ」と言っていた(笑)。13Bが載っているパークウエイも知っているし、RX500のことも当然知っている。





 最後になったが、最大の目的である「彼らはなぜ日本車が好きなのか」を聞いてみた。簡単にいうと、安くていじり倒せることが理由のようだ。確かに、保有している日本車は、ど旧車から20年程度前の車、マツダ車でいうならばFDのRX-7ぐらいまでが一番多い。これはお土産でもらった雑誌を見ても明らかだ。新車で買った人が中古として売りに出し、その中古を買って一通りいじり倒し、さらに滅茶苦茶な改造のベース車両として利用され(例えば日産のシルビアに13Bを載せる)、最終的にはドラッグカーのベース車両として利用されるようだ。すぐスクラップにする日本とは大きな違いがある。


 彼らが帰国した後、多数の写真とともに1冊の本が贈られてきた。ロータリーエンジンについて記された500ページを超える超大作である。



 写真左はロールスロイスのロータリーエンジン、左はメルセデスC-111の4ローター。C-111は、時代・スタイリングからしてRX500の対抗馬とも言える車で、機械式ながら既にインジェクションが採用されている。




 次頁では、英語版マツダミュージアムのパンフレットを紹介する。