3ウエットオン塗装

 これ、スリーウエットオン塗装と読む。どんな技術かというと、まず焼き付き工程が減らせること、次に塗料の溶剤の総使用量を減らすことが出る技術だ。これが環境に対して何のメリットがあるかというと、CO2の削減につながる。というのも、塗装して焼き付けた後に出てくる溶剤は大気中に放出されるのではなく、燃焼させCO2にしてから放出されるためだ。焼き付けの工程が減れば、結果としてCO2の排出が減るというわけ。





 自動車の塗装は1度塗りではない。通常は、電着塗装(錆びを防止する)、中塗り(下地)、上塗り(仕上げ)の3段階に別れているが、それぞれに焼き付け工程が入っている。このとき塗料の溶媒が蒸発し、CO2として排出されるのだ。中塗り、上塗りを1回で済ませてCO2の排出を抑えるのが3ウエットオン塗装である。これもまた工程が減らせるため設備投資が少なくなることで、さらに無駄なエネルギーの使用が削減され、結果としてCO2の排出も削減される。





 2回にわけている物を1回で済ますと無理がでるもの。そこに工夫がある。高粘性樹脂を中塗りと上塗りの間に介在させる。どうやって介在させるかというと、表面張力差を使うのだ。