当ＨＰ発足当初は掲示板が存在しなかった。理由は、好きだ嫌いだで判断してしまう人たちの間で揉める懸念があったためである。技術的な問題もあった。当ＨＰのプロバイダであるasahiネットは現在もなおセキュリティー確保のためcgiを開放しておらず、掲示板の設置ができなかったのだ。ところが時代が変わり、レンサバでの掲示板設置が可能となった上、ニーズも高まった。やむなく掲示板もしくはメーリングリストを開設する方向で検討を始め、どちらがいいかみんなからメールをもらい投票してもらった。結局掲示板の方に賛成した人が多かったので、掲示板に決定した。メーリングリストは閉鎖的なので、投票前から自分の腹の中ではやるんだったら掲示板と決めてはいたのだが。
　中にはもめ事を避けるため掲示板は設置しない方がいいという意見も頂戴した。内容も、掲示板設置のメリット・デメリットを比較し、他サイトでの事例も明示した上での設置反対であった。これこそが真の忠告というものだろう。書かれている内容については私も全くの同意見だった。だからこそ開設当初は掲示板を設置しなかったのだから。と同時に最悪の場合は、旧車の犯した過ちを繰り返さないために、掲示板を設置する以上恨まれてでも困った人たちを切り捨てることも覚悟することとなった。


　そうこうする内に、第一回目のOFF会（大黒OFF）がひらかれることになった。実は私はこれに参加しなかったのだ。掲示板では１ヶ月位前からOFF会の話で盛り上がってしまっており、このままでは同じ種類の車を所有することが共通項になっているだけの単なる集まりと化す、即ち旧車の犯した過ちを繰り返す懸念があったため、とにかく沈静化してあるべき姿にもっていきたかったのである。1200bpsでパソコン通信をやってきた人間からすると、OFF会とは今まで蓄積してきたネタの発表を行い多くの人に水平展開する場、文字通信では伝わらないニュアンスを伝える場、堅苦しい言い方をすれば成果発表の場である。初顔合わせということもあるが、そのような「議題」あがっていないOFF会をweb master自らが初回から認めてしまうワケにもいかないため、また不参加により冷や水を浴びせて落ち着かせたかったため参加しなかった。しかしながら結果として全く効果はなかった上、なぜ来ないんだと反発を食らうことになった。
　このあたりから自分の理想と現実にずれが生じ始めてきた。また整理せねばならないような困った人たちも顕在化しはじめ、旧車の犯した過ちを繰り返す方向に変わり始めつつあると感じた。このままではまずいと思い、半年後ついに当ＨＰ開設当初より思い描いていた当ＨＰ目指す理想・方向性、その方向に進むのが妥当である理由、具体的な行動指針等を「開設３周年記念一般教書演説」で初めて明文化することにした。