ひょっとして、アメリカ人ってバカなんじゃないか!?

 アメリカの天気予報を見たことのある人は知っていると思うが、予報屋にごとに天気が異なっていて、何を信じていいのかわからない。
 出航日の天気予報は滅茶苦茶だった。一番ひどい予報は吹雪、4月の予報にもかかわらずである。次は暴風雨。良くて雨時々曇り。てんでバラバラである。ところが・・・



 実際の天気が上の写真。雲1つない快晴。はずれもはずれ、大はずれである。こんなはずれ方は日本ではまず考えられない。ひょっとして、みんなバカなんじゃないでしょうか。ちなみに、出航前の数週間を通じて最も実体の天気とあっていたのはJALの天気予報だった。


 あと、日本人には想像できないような肥満体の人が結構いた。どのくらい太っているかというと、自重で動けないぐらい太った人だ。実際、プールサイドを歩いていると、とある婆さんが私に握手を求めてきた。何のことかと思ったら、自分が重すぎてデッキチェアから起き上がれないため、手を引っ張って引き上げて欲しいのだという。私1人で右手を引っ張ってもびくともしない。嫁さんと一緒に左右の二の腕部分を掴んでようやく引っ張り上げることができた。
 この人はかろうじて自力で歩くことのできるのだが、他の人は電動カートを使って移動している。電動カートって、お年寄りか身体に障害のある人のために用意されているのだと思っていたのだが、実体としては健康に問題はないが自重で動けない人のために用意された物だった。なぜこうも無期限かつ無制限に食べ続けてしまうのか、理解できない。


 昨今の事例では、トランプ大統領が誕生してしまう民意自体、狂っているとしかいいようがない。ニューズウイークの記事によると「アメリカの教育水準の低下によりアメリカ人が無知になり、今回の大統領選のように社会が大きな代償を支払わされている」という。例えばニューズウイークは、1000人の米有権者を対象に、アメリカの市民権を申請する移民が受けるのと同じ試験を受けてもらったのだそうだ。すると3人中1人は米副大統領の名前が分からず、合衆国憲法がアメリカにおける最高の法であることを知るのは3人に1人だけだったとのこと(以上記事より抜粋)。もうメタメタである。天気予報が全く当たらないわけである(←と強引に結論づける)
 ただ、成田で偶然であった米軍の日本人の人に言わせると、今まで誰も言い出せなかったことをずけずけ言っているし、ある意味正しい部分があるので支持を得ているとのことだった。例えば「A国からやってきた不法移民を一斉に追い出せ」みたいな主張は、「A国の合法的移民」から支持を得ているとのこと。車に例えると、正規のタクシー会社が白タクを排除するのと同じ構図である。



 一方、人類の優良種たる日本国国民(笑)はどうか。四方を海で囲まれている日本は、難民が大挙して流入するにはハードルの高い部分がある。が、もし難民が大量に押し寄せてきたら「人類皆兄弟」的な精神が保てるだろうか。全く別の要因で、アメリカの大統領選挙やイギリスのEU離脱のように、明らかにおかしい判断を下すことはあり得ないのか? 自信が持てない。




 ここからは、出航時の様子を紹介する。ニューヨークには突堤(pier)として番号が付けられているものが90以上あり、ブレークアウエイはpier 88からの出航となった。では隣の突堤には何があるかというと・・・イントレピッド海洋航空宇宙博物館がある。これは退役した空母イントレピッドを博物館に改装して突堤に固定したもので、いろいろな飛行機が展示されている。例えば下の写真。コンコルドである。コンコルドは世界数カ所で展示されてるが、こんな角度で見れるのは、ニューヨーク発の船旅ならではだろう。この博物館については、追って紹介する(車とは関係無いけど)。ちなみにコンコルドの後ろにあるテント状の建物の中には、宇宙を飛ぶことはなかったスペースシャトル「エンタープライズ」が展示されている。




 最上デッキでは、船旅恒例の「sail away party」が行われる中、マンハッタンの風景を堪能する。



 程なく、出航後の最大のイベント、自由の女神が見えてきた。「ニューヨーク、ああニューヨーク、ニューヨーク」。ちなみに、「日本人にとってニューヨークはクイズの都である」と説明しても全く通じなかった(笑)。
 自由の女神付近までボートで行く観光ルートもあるのだが、それだと自由の女神に近づけば近づくほど、下から見上げる角度になっていく。ほぼ真正面から拝めるのは、大型客船ならではのメリットだ。が、自由の女神をみて喜ぶアメリカ人は少ない。こういう船に乗る人は、そんなことに価値を見いださないのかもしれない。


 どんどん離れていくマンハッタン。大西洋を南下し、いよいよ1週間の船旅が始まる。