コクピット部分&タイヤ

 浅い角度からしか撮影できなかったためわかりにくい写真になったが、基本的にトヨタS800をベースに仕上げたとのこと。



 シフト部分。それにしてもサイドシルが高い。どうやって乗るんだろう。日本で発売された量産乗用車の中で、最もサイドシルが高い車に乗る者としての疑問だ。



 今まで触れなかったが、キャノピーはどうやって固定するのだろうか。そのヒントは矢印部分にあった。この金具を使って固定するらしい。



 ウエザーストリップはない。そのかわり、黒いEPDM発泡体が貼り付けられていた。この発泡体は、当時存在していなかったものだ。ウエザーストリップ代わりに付けたのは間違いないが、その役割はというとキャノピーのがたつき防止の要素が強いと思う。



 この手のレストアで、オリジナルから明らかにかけ離れざるを得ない部品が、バッテリーとタイヤである。バッテリーはエンジンルームに隠れるからよしとしても、タイヤは丸見えになる。またタイヤのグリップなどの性能が当時より格段に向上しているため、当時の走りの再現も難しい(AVON等では、クラッシックレーシングカー用のタイヤが売られているが、これが例外中の例外)。
 復元されたパブリカスポーツのタイヤを見てみると、ダンロップ製の12インチだった。



 ブランドは「SP70e」。広島市交通科学館でRX500を復活させた際、当時のレーシング用タイヤの性能を感覚的に言うと、ブリヂストンのスニーカー程度だとの証言がある。このことから類推すると、「SP70e」はオーバースペックである可能性が高い。


 今回はこれでおしまい。次回は展示されていた資料をもとに、復元の様子について報告する。