S8Pとルーチェとの比較&これってパクリ車じゃないの??
続いて、市販のルーチェ(セダン)との比較をしてみよう。ルーチェはカタログのみ展示されていたので、ぴったり一致する角度での比較はできない。
フロント部分。線図で比較したところ、市販のルーチェはフロントオーバーハングが短かった。その分、S8Pよりずんぐりむっくりしたイメージになる。
Aピラー部分。三角窓の形状もよく似ている。
Cピラー部分。これまたそっくりだ。なおドアノブの形状は異なっていることが分かる。
ここで、最大の疑問が生じる。カロッツェリアでデザインされた車は、どこまで改変が許されたかだ。実際に量産する上では、コストや強度・生産性もあってデザイン的に変更を余儀なくされる部分が出てくると思う。またS8Pは、もともとロータリーエンジン搭載のFFである。レシプロエンジンが搭載されたセダンになったり、FFのロータリーであったとしてもクーペに改変されるというようなことが許されたのだろうか。デザイナーからしてみれば、ルーチェロータリークーペや市販のルーチェって、S8Pの単なるパクリ車ではないのだろうか。
実際、ダイハツのコンパーノでは、コンパーノスパイダーを市販した際、問題が生じたそうだ。S8Pの契約はどうなっていたのか不明なのだが、パクリだと問題にならなかったのは、結局のところジウジアーロの人柄だと聞いた。ええ時代ですなあ。
次頁では、S8Pの下回りを見ていく。走行不能の車の下回りがどこまで作りこまれていたのか興味がもたれる。