冬木透 CONDUCTS ウルトラセブン

 私が生きている間に、こんなすごいものが見れるとは思わなかった。それが「冬木透 CONDUCTS ウルトラセブン」だ。





 氏はウルトラセブンを始め、ウルトラシリーズに登場する音楽を作曲した人だ。その誕生日の記念として自ら東京交響楽団の指揮をとり、東京オペラシティーコンサートホールでの演奏会の様子を収録したのがこのDVDである。



 今回の特別企画の主体であるマットビハイクルと何の関係があるかというと、冬木氏は帰ってきたウルトラマンに出てくる超有名な挿入歌、通称「ワンダバ」を作曲されたのだ。このDVDの中には「ワンダバメドレー」と称し、歴代のワンダバが収録されている。



 ワンダバが半端なくすごい。総勢約90名による男女混声合唱団(矢印部分)によるワンダバである。生きている間にこんなすごいものが見れるとは思わなかったと言わせるゆえんである。



 DVDを見ながらマットビハイクルに思いをはせるのもまた感慨ひとしおである。ちなみにDVDの特典映像として、コンサート会場に招かれたウルトラセブン役の森次氏が、胸元から「ウルトラアイ」を取り出してセブンに変身するシーンも入っている。

 実はウルトラセブン本編の中には、コスモスポーツが登場するシーンがある。それは第40話「ウルトラセブン暗殺計画(後編)」。特筆すべきは登場するコスモスポーツが前期型である点だ(マットビハイクルは後期型)。前期型のカラー映像は非常に少ないため、当時を知る貴重なシーンと思われる。例えば前期型コスモスポーツの白色は、いったいどんな白だったのかの手がかりになる。コスモスポーツの代表色である白は、いったいどんな白色だったかはっきりわかっていない。というのも完全保存された前期型コスモスポーツであっても、現在見ることのできる色は40年の歳月を経て、褪色もしくは変色している可能性が否定できないためだ。
 現存するコスモスポーツに塗装されている白は、大まかにわけて3種類ある。「純白に近い白」、「青みがかった白」、「クリーム色がかった白」だ。ロータリー40周年記念車として発売されたRX-8の色はクリーム色がかった白だった。恐らくこれが公式見解のコスモスポーツの白色なのだろう。
 が、この映像を見る限りは、「純白に近い白」と「クリーム色がかった白」の間くらいだった。ただしこの資料とて、フィルムの劣化やホワイトバランスの取り方一つで白色が変わってくるので参考にはならないと言われればそれまでなのだが、森の緑や土の色など全体のカラーバランスを考えると、妥当性は高いと個人的には考えている。

 さらなる見所は、ポインターと前期型コスモスポーツが一緒に走っている姿も映っている点だ。「あこがれのヒーローマシーン展」には、ポインターも呼んでほしかったなあと無理な妄想を抱くのであった。