非常に綺麗な前期型SA

 この車のすごいところは、オリジナル部分が多い点にある。まずは内装。




 デフロスターのグリル。オリジナルは菱形のメッシュなのだが、熱でぼろぼろになって、別の車のものに交換されているのがほとんどだという。が、このSAはオリジナルのままだ。




 交換されたデフロスターグリルの例。




 あとはシート。SAのシートはぼろぼろになるそうで、このSAも運転席側こそ社外のシートに変えられていた。が、助手席はノーマルのまま。




 他にもオリジナル度が高い部分がある。それはマツダのエンブレム。通常マツダのエンブレムは全部銀色だと思われているが、SAは縁のみ銀色であとは黒塗りなのだそうだ。




 車の年齢が違うとはいえ、AZ−1は細かいところでまだまだオリジナルが保てているんだなあと感じられる。内装で劣化しやすい部分は、シートの表皮の色あせや、ランバーサポート部分のウレタンがダメになる、コンビスイッチのレバーの白化と文字が消えること、ハザードスイッチの表面に微小なクラックが入ることくらいだろう。外装でいうならドアモールの縮みだ。マツダとして量産に本格採用したFRP製外板は、意外にも劣化が少ない。ステッカー類も剥がれていない。それら以外はこれから先、明らかに劣化すると予測される部品に思い当たる節がない。技術の進歩に支えられている部分が大だが、保守用部品の確保に加えて、熱負荷を与えない・紫外線に当てないなどオーナー一人一人の心がけ次第でも変わってくる。


 エンジンルームを見ていこう。NAのキャブ仕様だが、後期型と似たようなエミッション対策がしてある。







 後処理系はサーマルリアクター+触媒(隠れていて見えない)だ。




 あと面白いのはモデルプレート。前期と後期で表記が異なる。前期は東洋工業なのだが、後期はマツダ(株)なのだ。



 前回に引き続き、なかなか見られない比較をすることができた。