クラブミーティング、その1

 今回初めてクラブミーティングなるものが行われた。オフィシャル主催で特段何をする訳でもないのだが、各クラブに専用の駐車スペースを割り振るというもの。非常に有り難い企画である。

 当初場所はパドック横と聞いていた。となると走行会出場車両の横あたりかと思いきや全く別のところだった。コースの外なのである。AZ−1の場合、特に走行会出場車両が多いため、近くにまとめて並べられるのがベストなのだが・・・あまりの車の多さに走行会出場車両でさえもが、パドックの一番端にきていたので、残念だがやむを得ない。





 クラブミーティングの会場は、もともと駐車場だった場所で、現在はカート用のコースになっている場所だ。クラブミーティング参加者募集から締め切りまで時間が無かったため、結構スペースがあいていた。あまり募集期間が長すぎるとたくさんの車であふれかえっていた可能性があるため、募集期間の短さはやむを得ないと思う。





 では目立った車を紹介しよう。最初はムルティプラ。ウーパールーパーのような、ナポレオンフィッシュのような、でこっぱちのようなデザインをした車である。





 中に1台だけ特異なペイントをした車があった。不吹裕也仕様である。





 オーナーに話を聞こうと思っていたところ、車の中に子供がいたので聞いてみた。

「サーキットの狼って知ってる??」

答えはノー。

「んなもん、知るわけねーだろ。かったりーなぁ。」

というような不機嫌な顔つきで返答されてしまった。
 まだ眠い早朝から叩き起こされ出発して、暑い中長時間車並べるだけの話につきあわされたら、そりゃ子供も怒るだろう。主催者がいくら子供向けイベントを用意しても、F1でやっているような移動式遊園地でもないと満足できるアトラクション数ではない。そもそも子供から見れば、なんでこんなことにつきあわされねばならないのか、理由が分からないはずだ。
 大きなお友達ならご存じとは思うが、最近の子供向けのヒーロー物には、悪が悪である理由がある。不可能と思われる変形・変身を合理的に納得せしむ屁理屈がある。「ベルトの風車に風力を与えることで、仮面ライダーに変身するのだ」程度の解説や理由では、とうてい納得は得られない。私が子供の頃なんぞよりも、数段合理性の高い環境下で過ごし、それが当たり前のことになっている。いくら車と触れあう機会を作ったところで、小学生程度を納得させるだけの理由も用意しておかなければ全く興味をもたず、将来の自動車趣味を背負って立つ人材は育たないだろう(つーか、理由が理解できるだけの人間でないと、大きくなったときに自らの進むべき方向が示せず、自動車趣味の将来を背負って立てない)。

 話が前のページとだぶってしまうのだが、車のイベントで家族や子供が楽しめる・趣味の車に触れる機会をどうしても作りたいのなら、その前に連れてくる子供に動機付けできるよう、もしくは家族連れで行く価値があるかどうか判断できる材料を用意しておいてもらえればと思う。家族向け・子供向けの遊びのメニューを闇雲に増やすのではなく、事前に来る価値があるかどうか判断できる材料を十分にそろえることが家族のことも考える車のミーティングではないか、闇雲に増やさない分の資源を車のイベントに集中させることで本質をついたミーティングになるのではないか、それが結局は「みんなが楽しめる」につながるのではないかと今回のオーバーヒートミーティングの進め方を見て感じた(←私も反省)。例えば、F1の爆音が聞けるから、フェラーリが走るから、家族向けのイベントがたくさんあるからとかいって無理矢理連れてこられ、タイスケが狂って長時間待たされんじゃあ家族は不幸だし、機嫌を損ねないよう間を持たすお父さんも神経をすり減らす。今回、こういう人達が多かったのではないかと思う。繰り返しになるが、判断した結果来ないのならば、暑い中(今回は時々大雨の中)無理矢理つきあわされない分、家族にとっては幸せだと思う。「みんなが楽しめる」を追求するのは構わないのだが、F1でやっているような移動式遊園地でも持ってこない限り、存在しない答えを永遠に追求していくことになる。


 実は車の近くにオーナー(お父さん)がいることに後で気が付き話を伺ったら、やはり不吹裕也仕様だった。