スロットルボディーのアイドルアップ回路、その2

 エンジンが暖まった状態を再現するため、スロットルボディーのサーモワックス部分をホットエアガンであぶった。なお、普通のドライヤーでは、十分に温度が上がらない。



 まず冷間時。エアバルブの高さは約1.5mmだった。




 ホットエアガンでサーモワックスをあぶった。エアバルブが高くなっていることが分かるだろうか。高さは約5.5mmになった。エアバルブが高くなることで隙間がなくなり、エアがバイパスされなくなってアイドルが下がる。当然ながら、エアバルブの開閉は、スロットルボディーがインマニに取り付けられている状態では見ることが出来ない。




 もしエアバルブの高さがこの正常値とは異なる場合は、スロットルボディー内のサーモワックスがダメになっているか、エアバルブの周囲にある蓋(?)の高さ調整がおかしいかの2つが原因だ。
 調整のしかたは蓋にある2つの突起をラジオペンチで回す。ただし、この蓋は非常に固くしまっており、しかもプラスチック製であるため下手をすると割ってしまう(実際、はずそうとしたとき実験用ジャンクスロットルボディーの蓋を割ってしまった)。ここの調整は万策尽きた際の最終手段だと考えること。というのも通常緩むことはないと思われるためだ。




 ちなみに蓋をはずすとどうなるかというと、バネとエアバルブ本体が見える。



 エアバルブ本体をはずすとサーモワックスの一部が見える。圧入してあるようで交換は無理っぽい。エンジンのサーモスタットは壊れることがある。現にF6Aのキャブ車の場合、アイドルアップ回路にはサーモワックスが使われているが、単体部品としても部品設定されている。となると、スロットルボディーのサーモワックスが壊れることも当然あり得る。壊れたら温間時のアイドルが不調となる・・・予備のスロットルボディーは確保しておいた方がよさそうだ。