壊れそうな箇所と対応策

 分解したところ、非常に単純な構造をしていたことがわかったので、壊れる箇所は限られる。

 この14万キロ走行したラジエターファンモーターを分解して明らかにおかしかった部分は、ローターについていたベアリング(蓋側にあるベアリング)。ゴリゴリしていたのだ。



 ただ、分解する前は異常がわからなかった。というのも、このモーターは正常であっても軸を回転させようとするとカクカク動くためだ。なぜカクカク動くかというと、磁力があまりにも強いのでローターがスムーズに動かないため。
 このモーターにおける機械的可動部品は2個あるベアリングのみなので、モーターに異常が起きる際は、ベアリングに異常が起きる可能性が高いと考えられる。異常があれば恐らく固着してモーターが動かなくなるだろう。
 このベアリングは単体での部品設定はないが、汎用ベアリングだ。これは608と呼ばれるベアリングで、交換する際は両側非接触ゴムシールタイプを選ぶ。このベアリングはプーラーを使えば簡単に抜ける。



 残るベアリングはファン側についているやつだ。が、これがくせ者。表側からみると、こんな感じ。



 裏から見ると、こんな感じ。爪を立てて固定されている。



 しょうがないので裏側から抜いてみた。



 そうしたら、でべそになった(笑)。ということは、抜く方向が逆だったということだ。



 で、逆の方向から抜いたら(ベアリングを叩いたら)、ベアリングがあっさり抜けた。



 が、例の爪は無くなった。新しいベアリングに交換したら、ベアリングが脱落する可能性がある。特にAZ−1の場合は、ラジエターファンが斜めに付いているため、脱落する可能性が高い。接着剤で固定するしか手がないかもしれない。



 今回分解したモーターの場合、ファン側についているベアリングには問題はなかったが、仮に異常があったら手の打ちようが無いかもしれない。ちなみにベアリングは、先ほど紹介した608である。



 あとはブラシだが、残りは十分にあった。ブラシが摩耗してモーターがダメになる可能性は低いと考えられる。



 以上、ラジエターファンモーターを分解してきたが、モーターに異常がある場合はなんとかなるかもしれないので、修理にトライしてみよう。