触媒の挿入

 触媒と触媒ケースの隙間は、約5mmほどある。つまり触媒は、触媒ケースと密着していないのだ。その隙間に入っているのが、矢印で示す「インターラムマット」(←3Mの商標)である。このマットの特徴は熱をかけると膨らむことだ。触媒を挿入した後に膨らむことで、がっちり保持するのである。




 インターラムマットを入手すべくいろいろ調べてみたのだが、どこにも売っていない。しかたないので、サイレンサーのインナーマフラーに使うグラスウールを巻き付けた。インターラムマット程ではないが、熱をかけたらある程度は膨らむのでよしとしよう。
 グラスウールには耐熱性の高いものを使用する。今回使用したのは耐熱温度900℃のものだ。触媒の温度はこの程度までは上がるためだ。このデイトナのグラスウールは、片面がクロス(布状)になっているため作業しやすい。バイクショップやヤフオクで売られている。
 なおグラスウールは手に刺さるため、素手や軍手で作業するのではなく、ゴム手袋を着用して作業すること。


 触媒と触媒ケースの隙間が埋まるよう、触媒の幅に合わせて切ったグラスウールでぐるぐる巻きにする。なおグラスウールを巻いた触媒は、触媒のケースに入れるのが困難なくらいの厚さに巻いておく。そうしないとケースの中で触媒をしっかり保持してくれない。今回使用した触媒とグラスウールの組み合わせの場合、グラスウールの全長は700mmとなった。触媒の径にあわせて適宜調整のこと。




 まずガムテープでグラスウールと触媒をつける。




 よくしごいてたるみを取りながらグラスウールを巻き付け、ぴっちぴちにした後は、セロテープで巻く。そうしないと触媒をケースに挿入する途中で、グラスウールがずれてしまう。インナーサイレンサーに巻く場合は針金で巻くが、触媒の場合にそれをやってしまうと、グラスウールが熱で膨らまなくなってしまう。セロテープで巻くことで熱により溶けてくれるので、膨らみやすくなる。




 触媒を手で挿入する。




 あららら、グラスウールがはみ出てしまった。



 はみ出たグラスウールはカッターで切断する。




 写真には撮影していないが、グラスウール飛散防止のため耐熱温度が1000℃近いマフラー補修用のパテをグラスウール上に塗ってできあがり。ちょっと長さが短いが、まあいいか。車検ぐらいは通る性能を出してくれるだろう。



 もし触媒の長さが長いものを流用する場合は、グラインダーで触媒を削ること。触媒を切断するのではない。切断しようとすると割れるため、徐々に削って短くするのだ。