出発前の充電状況&豊島の悲しい過去

 まだまだ充電中。充電開始から1時間半経過。係員が充電ケーブルを抜いてしまったため撮影できなかったのだが、バッテリーは48%まで回復した。予測走行可能距離は24km。島1周が限度だ。



 念のため、再出発前のオドメーターとトリップメーターの写真を。



 最後の運転では気になる場所に寄ってみた。気になる場所とは、廃車体が放置されている場所である。我々にとって何よりの芸術作品は、近代美術よりも廃車体が表現する滅びの美学だ。GPSの軌跡を解析した日産の人は、「何の観光名所もないところで、なぜ長時間止まっているんだ?」と理解に苦しんでいるだろう。

 しかし豊島には悲しい過去があり、また過去を思い出させないためなのか、廃車体がほとんど存在しない。その悲しい過去とは、豊島産廃事件である。大量の廃棄物が持ち込まれ野焼きにされ、辺り一面が有毒物質まみれになった事件である。
 現在の野焼きの場は、「石棺」のように大きな建物で覆われている。有毒物質の飛散を抑えるためである。下の写真は豊島行きのフェリーから撮影した産廃エリア。「こっそり野焼きしたのがばれた」というレベルではない。フェリーの航路から見えるほど、堂々と(開き直って)不法行為を行っていたとは・・・



 左に小屋が見えるが、これは産廃業者が事務所として使っていたものと思われる。現在は豊島の過去を伝える場所となっている。実はここにも行ってみたかったのだが、Nissan New Mobility Conceptの走行可能エリアではなかったので、行けなかった。
 当時の荒れ放題の様子を、例のごとく国土画像情報地図・空中写真閲覧サービスで確認しようと思ったが、問題が起こった当時の写真がなぜか掲載されていない。ついでに言うと、事故が起こった後の御巣鷹山周辺の写真も掲載されていない。「住んでいる人が少ない地域だから」と言ってしまえばそれまでだが、国家権力にとって何か不都合なことがあるのではと勘ぐってしまう。



 それでも数台の廃車体は存在した。これはボンゴ。自動車整備工場らしき建物の前に転がっていた。なかなかいい味を出している。



 そして、もう1台不思議な廃車体があったので、次頁から紹介したい。