参加人数はどうなった??

 毎回行っているオーバーヒートミーティング参加者数の定点観測(といいつつ、定性観測が実態に近い)。なぜ私がこれを毎年行っているかというと、1.良い面・悪い面を含めて運営方法が今後の参考になるため、2.近年オーバーヒートミーティングのような総合系の車のミーティングは苦戦傾向にあるためだ。
 総合系の車のミーティングとは、旧車から新車、製造国の枠を超えた車のミーティングを指している。間口が広い分参加台数が多くなるはずなのだが、おしなべて言うと参加者数は減少傾向にある・もしくは間口の割に参加台数が少ない。一方、ABCミーティングのように車種が限られたミーティングは、減少することなく盛り上がっている。これは良くない傾向だ。自分の興味のある領域だけに目を向けていては、他車の動向や見習うべき部分・他山の石とすべき部分が見えてこない。結果として誤った方向にいったり、最終的には衰退の方向へ進んでしまう。


 去年と今年を比較して見る。写真左が今年のパンフレット。実はパンフレットの綴じ方が今年から変更となり、左綴じとなってしまった。これが何を意味するのかはよくわからない。



 今年もフェラーリのF1が走行予定だったが、当日になって急遽取りやめ。ゲート入り口にも中止の看板が立っていた。去年は人寄せフェラーリが走行したおかげで、参加人数の低下にやっと歯止めがかかった状態だった。エントラントの数はどうなっただろう。

 バトルロイヤルスプリントトロフィー。去年より半減した。ちなみに、フェラーリF1走行中止と関係があるのかどうか定かではないが、スクーデリアトロフィーも募集段階からいきなり中止のアナウンスが出た。このあたりのドタバタ劇は、もはや恒例である。



 ヒストリックトロフィー。ちょっと増えた。



 60分耐久。微減。



 速い車のちょっとは抑えよう走行会。ちょっと減った。



 ミドルクラスのテンションあげていこう走行会。増えた。



 この中で注目したいのは、去年に引き続き、パンフレットにAZ−1が掲載されたことだ。赤のAZ−1は、今回も参加した「わかばやしさん」のAZ−1。

去年 今年


 速くない車の元気な走行会。微減。



 クラブミーティング。写真を見ると今年の方が多く見えるが、実態は微減。



 おしなべて見ると、底打ち状態が続いている感がある。最盛期と比較すると、半減といった状態。また、昔はフェラーリとランボルギーニの祭典と化していたオーバーヒートミーティングだが、ついにフェラーリさえも見かけなくなった。
 2013年度で高速料金の休日半額割引制度が終了し、3割引になることが検討されている。今回は、アベノミクスによる景気浮揚感や「安く来れる最後の記念に」ということでエントラントが増えるかなあと思ったのだが、そうでもなかった。前々から言っていることだが、「来る人は来るし、来ない人は来ないミーティングに固定化されてしまった」ようにも思える。

 この数で採算がとれるのなら、本当に車を愛する人(車のために何をすべきかわかっている人、自分の知らない車の世界を見てみたい人、得られた情報を自分のものにできるだけの能力を持った人)のためのミーティングに特化してよいのではないかと思う。個人的には、それが車のミーティングのあるべき姿だと思っている。
 しかし、それでは縮小均衡になってしまい出版社の経営上都合が悪いというのであれば、「人寄せフェラーリ」を来年も続けることで、とにかくフェラーリが見たいというミーハーを増やせばいい。
 一番怖いのは、人寄せフェラーリの神通力すら効かなくなることだ。底打ち状態にあると前述したが、ひょっとすると今回で既に神通力の低下が生じている可能性もある。そうなってしまうと「二玄社」と似たような衰退の道を歩むことも予測される。恐ろしいことだと思うと同時に、本当に車を愛する人にとっては、ある意味望ましいことかもしれない。今後の推移を引き続き観察していきたい。


 次回は、会場に集まった珍しい車を見ていく。