なぜアウター側とインナー側でブーツの形状を変えたのか

 AZ−1とワークスのアウターブーツを見ると、AZ−1の方が短い。ワークスと同じにすればいいのに、なぜ形状を変えてしまったのか。結論からいうと、以下の理由が推定される。



  1.短いブーツを活用することで、ブーツ単体のコストを下げたかった。
  2.短いブーツにすることで、ドライブシャフトの強度を保った。



 1番目の推定理由を述べると、実際のところ同程度の大径・小径になっているブーツを比較すると、短いブーツの方が安い。だから採用したと考えられる。

 2番目の理由は少々複雑だ。ブーツを取り外したシャフトの矢印部分の直径は約19mm。ブーツのかぶっていない部分のシャフト径は22.5mmなので、なかり細くなっている事がわかる。



 もし、長いブーツを付けると、細い部分が長くなる。



 そうなると、太い部分が短くなる。



 太い部分が短くなると、強度が下がる。ではなぜ同じエンジンを積むAZ−1とワークスで、強度を考えないといけないかというと、エンジンレイアウトが異なるからだ。
 FFであるワークスは、発進時にフロントが浮き上がる。そのためドライブシャフトに負荷がかかりにくい。
 一方、AZ−1はリアミッドシップのため、発進時にリアが下がるので、ワークスに比べてドライブシャフトに負荷がかかりやすい。さらに、リアのトレッドがワークスに比べて短いのでドライブシャフトが短くなり、ますます強度が落ちる可能性がある。それをさけるために短いブーツを使ったのではないかと推定される。


 ま、いずれにせよ、ブーツはワークスと共通化して欲しかったものだ。