ストラトスのAZ−1

 チャージカラーとストラトスが並ぶ日がついに来た。いずれも各国・各自動車会社の威信となる車をAZ−1で再現するというのがすごい。今回参加されなかったが、他にもこんなのがある
 チャージカラーの方を改めて紹介しよう。ご覧の通り、マツダ最大の栄光といっても過言ではないルマンで優勝した787Bと同じカラーリング同じゼッケン55をまとったAZ-1である。この車は、マレーシアのセパンサーキットで行われる24時間耐久に出走している車である。海外に車を持っていって、24時間耐久をやって日本に車を持ち帰るといったようなバカなことをやっているマツダ車オーナーは、もはやAZ-1しか日本に残っていないといって過言ではあるまい。また787Bの202号車やRX500とならんで40日間にわたって展示されたこともある由緒ある車でもある。エンジンはロータリーではないが、あらゆるマツダ市販車の中で、チャージカラーとゼッケン55を身にまとうにこれ以上ないほどの実績を持つ車であり、AZ-1こそチャージカラーとゼッケン55というマツダの栄光を「実効支配」している車なのである。



 チャージカラーの方は散々紹介しているので説明はこれぐらいにしておいて、今回はストラトスの方に焦点をあてる。なおデモ展示用としてのパーツがついた状態での紹介になる。



 ひいき目に見ても、ガルウイングの部分を除くと市販のストラトスのレプリカよりも、よっぽど本物に近く見えてしまう出来映えだ。



 内装は赤を基調としているので、さすがにこれはストラトスと違う。



 AZ−1生誕20周年ミーティングの様子はマツダの公式Facebookでも紹介され、「いいね」が押された数は、新型アテンザのスペシャルコンテンツに次いで、2012年10月の月間2位に輝いた。中でもストラトスへの反応が一番大きかった。マツダ期待の新型車並に、20年前のAZ−1の人気があるのだから、マツダにとってAZ−1は邪魔で困った存在である。しかし、打たれても出る杭となり、憎まれっ子が世にはばかってこそ、初めて大きな存在感が出せるものである。そういう観点で言うと、コスモスポーツとロードスターと新型発売車のことしか眼中にないマツダに対し、AZ−1について定量的データに基づいたインパクトを与えたことができた点は、1つの成果と言えよう。ざまあみろ〜(笑)。

 しかし、Facebookでの反応で1点困ったことも浮き彫りになった。20周年ミーティングの意義などを書いていたのだが、これには全く反応無し。ストラトスに対する反応も、「ストラトスいい!」みたいな反応ばかりで、どこの何がいいのかといった具体的に示した反応はなかった。SNSで、また恐らくスマホで、情報発信側の意図したことが読み手に的確に伝わるのか、共感を得ることができるのか、甚だ疑問な結果も得られてしまった。
 さらに話はそれるのだが、SNSに写真を1枚ぺろっと貼れば情報発信ができ、それがシェアされれば世界が動くと勘違いしている人達が非常に増えたように思う。「アラブの春」でFacebookが多用されたことが勘違いを生んだのではないか。真の情報発信とは、「発信した情報が受け手に正しく伝わり、受け手は新しい情報を得る。もしくは受けた情報を元にしてより優れたものに改善していく。」という具合に、明日の進歩へと繋げられるよう人を動かすことのできる情報を発信することである。なお「アラブの春」のように、暴動という行動を引き起こすことは情報発信の範疇には含めない。暴動には明確な「船頭」がいないため、最終的にぐちゃぐちゃになって、まとまらないからである。

 話を車に戻そう。注目はなんと言っても(本物のストラトスであっても)6つ目のライトであろう。本物は左右2つはリトラなのだが、このAZ−1の場合はさすがにボンネットと一体化している。





 リア側は写真のようになっている。本物のストラトスや、レプリカとして売られているストラトスと比較してみよう。このような形に人を突き動かせる車こそ、真の趣味の車ということになるのかもしれない。