公道走行させるために、その2

 そもそもなぜ100年前の車が車検に通るのか。その理由を考えてみよう。なお皆さんもご存じのとおり、車検適否の判断は各地の陸運局によって微妙に異なるので、ここで書かれていることが全国的に通用するという話ではない。

 やはり最大の理由は、このT型フォードが昭和51年以降に輸入されたものではないことが挙げられる。もし昭和51年以降に輸入されたのなら、排ガス規制に適合させるために触媒等をつけたりする必要が出てくる。あと三点式シートベルトをつけろだの、ヘッドレストをつけろだのといった面倒な問題も生じる。
 どういうことかというと、車検を通すには「何年にどこで製造されたか」が問題になるのではなく、「何年に日本で登録されたか」が1つのポイントとなる。例えば、1960年生産であるにもかかわらず、登録せずにず〜っと保管してあった日本車があったとしよう。その車を今登録させようとすると、触媒をつけたり三点式シートベルト付きに改造したりする必要がある。1960年に登録しており、車検切れで放置していたものを再登録する場合はこんなことにはならない。



 あと、車検にどうしても必要なのがクラクション。この車には「パフパフ」がついている。これで通るのか、それとも密かに電磁ホーンをつけたかのどちらかだ。





 ミラーは助手席側のみにある。ミラーは可倒式になっている。が、ミラーは車幅の中に完全に収まっているので、可倒式にする必要はない。よって可倒式というよりは、ミラーの角度を調整するための構造なのだろう。



 ちなみに、車検を通す上でルームミラーは不要である。