日本のアニメのタイトルを中国語では何と書く&その他

 さて、日本のアニメのタイトルを中国語で書くとどうなるのだろうか。見ていこう。

 これだったら読めるよね。読めるから先に答えを書くと「銀魂」である。でも銀魂を中国の人が見て面白いのだろうか。というのもこのマンガは、日本の歴史のことをある程度知っていないと分からないからだ。設定はこう。実際の歴史では江戸時代末期にペリーがやってきて鎖国状態の日本を開国させたのだが・・・このマンガでは、文明や技術が進歩しながら江戸時代から現代まで江戸幕府が存続・鎖国が続き、実際に開国を迫ったのは「天人(あまんと)」と呼ばれる幾多の宇宙人だった、というなんでもありの設定。人物や組織の名称も実在したものの一部変えて登場している。例えば「新撰組」は「真選組」と名前を変え、近藤、土方、沖田といった人物も登場している。反日教育のおかげで、日本の歴史なんてまともに知らないはずなのだが。
 ここからは私の勝手な想像だが、鎖国状態にあった国を自国の中国として、突如進化した文明をもたらした「天人(あまんと)」を日米欧の先進国各国の人間だとしてなぞらえることで、すんなりと理解できているのかもしれない。




 こちらも何とかわかるかなあ。中国独特の省略漢字で書かれているのでちょっとわかりにくいが・・・




 答えは「鋼の錬金術師」。FAまでちゃんと入っている。



 こっちもスポーツの日本語漢字表記を知っていれば分かりそうだ・・・




 答えは「テニスの王子様」。55%か、まだまだだね(笑)。



 さて難問。わかる人にはわかる。




 答えは「ナルト」。



 歴代ガンダムの人気投票。10位がいわゆるファーストガンダムだ。トップと10倍の差がある。断定は出来ないが、ヤマト・ガンダム・EVAという手順を踏まずにいきなり最新のアニメ(腐女子系、ロリ系)が根付いたようにも見える。こういった観点からも、いろいろなものが手順を踏まずにいきなり中国に入ってきたことがわかる。
 話は変わるが両アニメ雑誌に共通している点が、「ケロロ軍曹」についてまったく触れられていなかった点だ。ファーストガンダムの人気がないからさっぱり理解できない内容のため人気がないのか、それともペコポン(地球)侵略が日本の中国侵略を連想させるため自主規制をしているのか真意は不明だ。路上では偽物DVDも売られていたが、イマイチ人気無し。帯には「日本で一番人気の・・・」みたいな言葉が並んでいたのだが。




 日本の侵略が問題となっているのではないかと推測しつつ、一方でとんでもないアニメも紹介されていた。それは「ムダヅモ無き改革」。これ、雑誌「近代麻雀」に掲載されているマンガである。こいつらの守備範囲は麻雀マンガ誌にさえも及んでいるのかと驚かされる。
 ここでは「ムダヅモ無き改革」がアニメ化されるということを紹介しているのだが、このマンガ、中国側からみると非常にまずい内容になっている。というのも、これは極右麻雀外交マンガだからだ。アニメ化第一話では、「北(ぺー)の巻き」と題し、北の将軍様と息子を相手に小泉ジュンイチロー元首相が滅茶苦茶な麻雀外交を繰り広げる。当然の帰結として、北の将軍様の放つ数々の卑怯な手段(暗殺やテポドンの発射)をかいくぐり、小泉ジュンイチローの超人的活躍で日本が麻雀外交にて圧倒的勝利を収めるという話になる。問題は第二話である。「中(チュン)の巻き」と称し、中国と麻雀外交を繰り広げるのだ。内容や人物描写は「北(ぺー)の巻き」の予告編から推してしるべし。予告編は、公式サイトで見ることが出来る。
 ちなみに登場人物は小泉ジュンイチローのほか、チルドレンの「タイゾー」やら「ゆかりタン」なんかもいる。これ見たら中国の人は怒るぞ。







 あと、クレヨンしんちゃんの作者死亡のニュースを両紙とも大々的に取り上げていた。中国の人から見る埼玉県春日部市はどのように映るのだろうか。といいつつ、広島から想像する埼玉県春日部市は、実在する物とかなり違っているはずだが。




 最後に紹介するのが、アニメの歌詞。銀魂のエンディングだった「ウォーアイニー」を取り上げる。なぜ取り上げるかというと、2つの雑誌に掲載されていたため、この歌詞には最初から中国語が一部含まれているためだ。そのような歌をどう訳すのか、興味が持たれる。
 比較すると、少なくとも書いてある中国語は異なっている。が、意味は基本的に同じなのだそうだ。ことなる理由は正規版ではないから。日本人的には、上の中国語訳の方が理解しやすい。








 以上、中国の自動車雑誌に先立ち、中国のアニメ雑誌を見てきた。その結果、一人当たり給料9ヶ月分の費用をかけて聖地巡礼をする、中国の文法では解釈不可能な日本語を原文のまま紹介して理解しようとする等、彼らはとんでもない行動力とどん欲な精神を持っていることが明らかになった。また日本の雑誌からも大きな影響を受けていることが見受けられた。
 次回はいよいよ中国の自動車雑誌をみていく。中国の自動車雑誌編集者は、アニメ雑誌編集者と同等の力量を持っているのだろうか。だとしたらすごい自動車雑誌になっているはずだ。