20周年記念車とロードスターForever宣言

 ロードスターForever宣言まで、またパレード開始まで残り時間が少なくなってきた。名残を惜しむかのように20周年記念車へのサインの列が続く。矢印部分に記念車がある。




 もうサインするスペースがなくなってきた。




 もうボンネットに伏せるようにしないとサインできない。




 今回私はボンネット上にサイン。「20」の「2」の左側あたりにサインした。





 いよいよそのときが来ました、ロードスターForever宣言。




 メモリー切れで最後の最後の部分が切れてしまったが、切れた後に「ロードスターは永遠です」と言っているだけなので、このForever宣言を語る上では実質的に問題ない。
 前回の10周年では「ロードスターは永遠です」と言っただけに過ぎなかったForever宣言だが、今回は内容にある程度具体性が増した。加えて、特に驚かされたのが、ロードスターの言うところのForeverは、我々が意味するところのForeverとは似て非なるものであることが明らかになったことだ。なんと「ロードスター」という名前のついた車を永遠に作り続けることがForeverだったのだ。信じがたい事だが、初代のロードスターを含め、全てのロードスターが永遠に生きながらえるという意味ではないのである。「壊れれば新しいのを買えばよい」。ロードスターとはその程度の価値しかない車だと自ら高らかに宣言しているように感じた。趣味の車の人間の常識とはかけ離れている。
 確かに、同じ名前の車がそのまま作り続けられているという例は日本では少ない。マツダで言うと、生産がとぎれることなく続く昔からある車の名前は、ボンゴとファミリアバンくらいだろう(生産がとぎれたからキャロルやコスモは除く)。生粋のマツダ車となるとボンゴしか残らない。そう考えると「ロードスター」という名前の車を永遠に作り続けることがForeverであるという考え方もうなずける。本当は初代ロードスターの部品も含めて全部品が永久に供給されるということを宣言したかったのかもしれないが、マツダの役員がそんなことを言うわけにもいかないので、この宣言に落ち着いたのかもしれない。
 しかしこれだけでは余りに寂しい・・・



 さらに気になる情報もある。設計上の理由なのだが、NCロードスターは(恐らくそれ以降のロードスター及び他社のほぼ全ての車も)将来的にはほぼ全滅することが確定的になった。理由はエアバッグにある。少なくともNC以降の時代に作られたマツダ以外の車も含め、エアバッグが一度展開してしまうとハーネスの一部が溶断するようになっており、修理しようとするとハーネスを総取り替えとなるため莫大な費用が発生するというのだ。悪いことにこのハーネスが溶断すると、安全なところに車を移動できるだけのスピード(20km/h程度)までしか上がらなくなるというのである。展開していないエアバッグに交換しても車がまともに動かない。事実上の全損だ。ついでに言うと、最近の車はエアバッグのシューターがインパネと一体化してしまったため、助手席エアバッグが展開したらインパネも交換ということになる。ちなみにNBはハーネスの溶断はなく、展開したエアバッグを新品に交換すれば問題なく使用できる。

 このような情報がある以上、世界に冠たる名車である以上、今からでも遅くないから有効な対策方法を検討するよう切に願う。「壊れれば新しいのを買えばよい」。ロードスターとはその程度の価値しかない車なんかではない。