格安オイルフィルターの問題点(旧エイシン旧型オイルフィルターの場合)

 下の写真、左がスズキ純正のオイルフィルター、右が旧エイシンの旧型オイルフィルターだ。旧エイシン(現モノタロウ)の新型オイルフィルターについては後述する。




 高さ、径ともほぼ同じ。オイルフィルターレンチのサイズも一緒だ。




 裏返してみて、はじめて違いらしい違いが分かる(左がスズキ純正)。




 矢印で示す部分は、ゴムのパッキンが入っている。このパッキンは逆流防止弁で、エンジン停止中にオイルフィルター内に入ったオイルが、オイルパンに戻らないようにするためのものだ。




 もう少し詳しく説明すると、オイルはオイルフィルター底面に開いている穴から入り、中央の穴から出ていく。




 先ほどのパッキンは、オイルフィルター底面に開いている穴からオイルが漏れ出さないようにするためのものだ。




 漏れ出すかどうか、つまりパッキンが機能しているかどうか、中央の穴から息を入れてみた。フィルター中央にさしている軸は、F6Aに実際に使われている部品である。パッキンが機能しているのなら、漏れ出さないはずだ。テストに使用したフィルターは、双方とも3000km程度走行した車両から取り外したものである。




 試したところ、スズキ純正は問題なかったのだが、格安オイルフィルターはダダ漏れだった。通気抵抗すら感じられないほどの漏れよう。これではオイルフィルター内に入ったオイルが、オイルパンに戻ってしまう。これにより次の問題が生じる。まずエンジンを再始動する際、フィルターの中に入っているオイルが少なくなるため一時的にオイルが供給されない状態となる。またせっかくフィルターで取り除いた異物がオイルパンに戻ってしまう。

 エンジン停止後2日経過したスズキ純正のオイルフィルター。AZ−1の場合、オイルフィルターが横向きになっているので、パッキンが機能しないとオイルがフィルター内のオイルが半分ほど無くなってしまう(なぜ半分残るかの理由についての詳細は割愛するが、オイルクーラーの構造上そうなる)。スズキ純正の場合は全く問題なくオイルで満たされていることがわかった。油面が見え、またフィルターを45度程度傾けるとオイルが出てきた。



 これが格安オイルフィルターの実力だったわけである。なおカプチーノやジムニーのようにオイルフィルターが下向きに取り付けられている場合、パッキンが機能してもしていなくても問題はない。
 AZ−1には関係ないが、ロータリーはオイルフィルターが全て上向きに取り付けられている。そのため、AZ−1よりももっとオイルが抜けやすい方向にある。
 フィルターによってなぜ違いが発生するのか。次頁よりみていく。