安全太郎

 道路の工事現場でよくみかける機械仕掛けの人形。一瞬で通り過ぎるため、その詳細はあまり知られていない。せっかくの機会なので紹介しよう。




 この人形、名前は安全太郎という。もっといい名前をつけてやれよ〜。




 安全太郎の顔。瞳には輝きがあり、眉毛は単純な一本線ではない。眉間に近づくと、毛が薄くなっていくような処理が施されている。
 全身像もあわせて見ていただけるとよりはっきりするのだが、安全太郎は正面を向いているのではない。向かって右方向を向いているのだ。これは安全太郎から見ると道路が左側にあるためと考えられる。ここまでは理解できるのだが、不思議なのが頭の角度。若干上を向いていているのだ。通常安全太郎はトラックの荷台に縛り付けられて旗を振っている。高いところにあった方がより遠くから見えるためである。車を誘導するという目的を考えると、車を見据えるために頭は下を向いていてもいいはずなのだが・・・
 頭を上にあげ若干斜めを向いている安全太郎の姿は、何か高い理想に燃える歴史上の人物の写真を彷彿とさせる。希望に満ちた労働者の顔。安全太郎はいったい何を思いながら旗を振っているのだろうか。というか、これをデザインした人は、何を思ってこんな角度にしたのだろう。




 旗をふる腕部分。




 安全太郎は100Vで動くらしい。足下にはコロがついていて、簡単に移動できるようになっていた。




 今回はこれでおしまい。次回も普段目にしながらあまり注意をはらっていない物を紹介していく。