吠えろイオタ

 今回のメインイベント、イオタのエンジンをかけ、観客に聴かせようというものだ。イオタは特別に会場外へ出された。





 このイオタ、ミウラをベースとしたランボルギーニ公式レプリカで、以前レポートした東京スペシャルインポートカーショーで展示されていたのと同じ車だ。





 いよいよエンジンスタートの時が近づいてきた。どんどん集まってくる観客。若者の車離れが問題となる中、意外に小さな子供連れとその若い親が多かった。始めはカウルを開けた状態で展示されていたが・・・



 エンジンスタート前にはカウルが閉められた。係りの人が乗り込んで、いよいよエンジンスタートだ。観客は一斉にカメラを向ける。前説によると、1回のイベント時間は5分。真夏の停止した状態で行われるため、水温が上がりすぎる可能性があり、場合によっては5分未満で終了するとのこと。





 いったいどんな音がするのだろう。現在の高級外車のイメージと、かつての高級外車であった「スーパーカー」というものに対する過去の記憶が入り乱れ、それが妄想となり神格化しているような状況だ。うなれV12、響け吸気音。どんな夢のサウンドを聴かせてくれるのだろう??





 すると・・・単なる直管マフラーの音でした。

 正直、聴いた瞬間膝が崩れ落ちそうになった。周りの観客は音の大きさに一様に驚いていたが、我々からするとよく聴くエンジンサウンドの1つで、似たような音はマフラーをはずしたAZ−1でも出せるわけでありまして・・・期待が大きすぎた分、落差も大きかった。でも一回もバックファイヤーを起こさなかったり、キャブがオーバーフローしたような感じにならなかったのはさすが。

 が、ここで問題発生。写真に上手く写すことが出来なかったのだが、エンジンルームから煙が上がっているではないか。エンジンサウンドに集中してしまい観客の多くは気が付いていない中、一人びびる私。気づいた係りの人は、マジで消火器を持ってきた。ミウラではキャブからオーバーフローしたガソリンが引火して、多くの車が焼失したという。こりゃまずいぞ。





 しかし、どうやらこれが普通のようだ。それと同時に今までの疑問が1つクリアになったような気がした。煙が上がるのが普通なら、また同様の状態がミウラでも起こっていたならば、ミウラが出火して煙が出ていても、「正常の範囲」と片づけられて気が付くのが遅れたのかもしれない。だから焼失した車が多かったのでは??
 リアにエンジンがある場合、エンジンの不調が目視で確認しにくいため、我々としても常に注意を払っておくべきだろう。