バイオディーゼル燃料、その1

 皆さんもよくご存じの通り、バイオ燃料とは石油などの化石燃料と対局をなす植物由来の燃料のことである。この展示会で、私も今まで理解出来ていなかった点や誤解していた点が明らかになったので、それも交えて紹介したい。

 バイオ燃料には大きくわけて、ディーゼルエンジン用のものとガソリンエンジン用のものがある。燃料燃料自体の沸点はディーゼルエンジン用の方が高い。まずはディーゼル用(BDF:バイオディーゼルフュエル)から説明しよう。

 そもそもなぜバイオ燃料が環境にいいという話になっているかというと、二酸化炭素の排出量に変わりがないという理屈がある(カーボンニュートラル)ためだ。つまり植物由来の燃料ならば燃えて二酸化炭素になっても、また植物が吸収してくれて燃料として利用できるということ。それを示すのが下の図になる。





 バイオディーゼル燃料は今のところ天ぷら油の廃油から作られるのが一般的だ。車から二酸化炭素が排出され、それを吸収して緑になって、天ぷら油になって、廃油がBDFとなることを示す概念図。





 BDFの製造工程。ここで私の大勘違いその1。BDFとは、天ぷら油から天かすを取り除いたものであり、ディーゼルエンジンの高圧縮比にまかせて根性で着火させるものかと思ってました(爆笑)。その実体を化学的にいうと、天ぷら油をエステル化した燃料だったのだ。化学屋からすると「始めからそう説明しろ!」と言いたくなった。





 実際の反応を少し詳しく紹介したパネル。正直素人には分かりやすい説明だと思うが、化学を知っている物にとっては大混乱を招く説明である。私は理解出来るのに5分くらいかかりました(笑)。この図は、天ぷら油100Lとメタノール20Lを反応させるとBDFが95Lできるということを示している。



 余談だが、この図をみてピンときた人はエライ。反応行程をみると、BDF工場は燃料工場だけでなく、爆薬工場にもなり得るのだ。といのも複製生物としてグリセリンが出来るため。これをニトログリセリンにすると、すごいですよ〜。爆薬を作るついでに、出来たメタノールをもとにニトロメタン(ニトロ燃料)まで作ってBDFに混ぜてくれれば、いくらかパワーアップすると思う(←こんなことをすると、NOxが増えてせっかくの環境燃料が台無しになるのでダメ)。